本多静六「私の財産告白」概要
- 著者は東京帝国大学農科大学(現在の東大農学部)の教授、戦後まもなく出版された本
- 天引き貯金:毎月の収入の1/4を天引きして貯金、賞与や副業収入は全て貯金
- 節約生活:貧乏は人生をより味わい深いものにする
- 投資で財産を増やす:好景気な時に貯金し、不景気な時に投資する
※amazonのプライム会員はkindle版が無料で読めるみたいです(2024年4月現在)
天引き貯金
25歳で東京大学の農学部助教授に就任し、固定収入が得られるようになったタイミングで、家族9名を養うこととなった。
普通に生活していては貧乏生活を抜けられないと考え、「4分の1天引き貯金法」を実行することにした。
収入があったとき、容赦なくその4分の1を天引きして貯金するのだ。
生活は苦しくなり、家族には苦労をかけた。だがこの天引きが、のちの資産形成の第一歩となった。
引用:私の財産告白/本多静六
毎月の収入の1/4を天引き貯金、賞与は全て天引き貯金。天引きの天は「お上・国・会社」ではなくて「はじめから」という意味です。
給与から税金や社会保険料が天引きされて、自分の口座に振り込まれたらそこからさらに貯金用口座に天引きしなさい。残ったお金で生活しなさいという教えです。
お金を使わないタイプの人は口座を分ける必要はないと思います。家計簿でしっかり予算管理できる人も同様です。
投資の種銭(たねせん)をついつい浪費してしまう人は積立てNISAでクレジットカード払いでもいいかもしれないですね。
節約生活:貧乏は人生をより味わい深いものにする
一生のうち一度は貧乏生活を経験すべきだ。苦労してこそ、ものの見方が変わり、人生がより味わい深いものになる。
私の財産告白/本多静六
貧乏になったことがなければ、本当の人生の値打ちはわからないし、堅実に生活を改善していく努力もできないだろう。
「貧乏は人生をより味わい深いものにする」いい言葉ですね。
本多静六は芋のおかゆとホルモン漬(野菜の塩漬け)の節約生活をしていたそうです。外套(コート)も穴が開いていたそうです。
現代はここまで節約するのは弊害がありそうですが、姿勢としては見習いたいです。種銭がないと投資してもインパクトが少ないです。
種銭に関しても、「初めはホンの小さな玉でも、その中心になる玉ができると、あとは面白いように大きくなってくる。」と複利のような記述があります。
時代が違うので本に書かれている金額を現在の金銭価値に計算するのは難しいです。給料の3ヶ月分を当面の生活費として貯めて、何かあった場合の予備費を取り分けて、100万円から投資を初められるといいかと思います。
投資で財産を増やす:好景気な時に貯金し、不景気な時に投資する
本多静六の投資スタンスは以下の通りです。
- 長期投資(分散投資)
- 逆張り(好景気で貯金、不景気に投資する)
- 二割で利食い
- 二倍になったら半分売却して自己資金を回収。残りは長期投資手してほっておく。
長期投資(分散投資)以外は再現が難しそうです。トレードの才能をお持ちだったのだと思います。ただ、逆張りというのは自分で投資判断をするということですので、とても大切な姿勢だと思います。
今はみんなS&P500やオルカンばっかりだもんね。
素晴らしい投資先なので、インデックス投資は大正解なのですが、株価が崩れたときに市場に残り続けられるかが不安です…。残った人がお金持ちになります。
大原則として以下をしっかり理解して、長期でお金持ちを目指しましょう。装備を整えた後だと、ゆっくり金持ちになるのも楽しいですよ。
- 貯金(通過)はインフレに弱い
- 経済はインフレでないと借金で国の財政が破綻する(デフレは最悪)
- 株式投資は一番成功率が高いインフレ対策
- インデックス投資に勝つのはプロでも難しい
普遍的な投資原則
本多静六「私の財産告白」から「天引き貯金」「節約生活」「投資で財産を増やす」という普遍的な投資原則を学ぶことができます。
読んだことのない方はぜひご一読ください。マンガ版も出ているようです。
コメント