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製薬会社(PFE/MRK/ABBV/JNJ)とVHT(米国ヘルスケア・セクターETF)の比較

銘柄分析
のびのび君
のびのび君

ファイザーやジョンソン・エンド・ジョンソンの銘柄分析じゃないんですか?

のびせん
のびせん

個別よりも全体比較が良さそうなので、世界ランクの製薬会社とヘルスケアETFとの比較にしました。

製薬会社(PFE/MRK/ABBV/JNJ)とヘルスケアETF(VHT)のバリュエーション比較

2023年版の製薬会社世界ランキング Top5 とVHT(米国ヘルスケア・セクターETF)を比較しました。世界2位がロシュ(スイス)なのですが、日本では一般的にスイス株は個別取引ができないので、比較対象から除外しました。スイス株は投資信託やETF(インデックス)くらいしか、2024年4月時点で選択肢が有りません。

企業名売上高
1位ファイザー1003億ドル
2位ロシュ663億ドル
3位メルク592億ドル
4位アッヴィ580億ドル
5位ジョンソン・エンド・ジョンソン525億ドル
2023年 製薬会社 売上高ランキング

2024年4月現在だとファイザーが割安かと思います。ジョンソン・エンド・ジョンソンも高くはないので選択肢に入ると思います。過去データをみた感じだと各社タイミングが違うところで数字がボコボコしています。VHTに投資しておくほうが投資結果は安定すると思います。

各社、配当は安定しているのですが、EPS(一株当たり純利益)がボコボコしているので、PER(株価収益率)はバリュエーションの参考にしづらいです。※過去の平均値算出からPER50倍以上のものは除外しています

ティッカー過去配当現在配当過去PER現在PERパイプライン
PFE3.14%6.62%16.46倍68.62倍112
MRK3.76%2.45%25.33倍898.43倍120
ABBV3.3%4.93%22.47倍46.41倍90
JNJ2.31%3.35%19.23倍19.91倍95
VHT1.3%1.28%n/a22.93倍na

【シーゲル教授の研究結果】ヘルスケアセクターはS&P500を上回るパフォーマンス

ヘルスケアセクターはジェレミー・シーゲル教授の研究でS&P500インデックスのパフォーマンスを上回っている優秀なセクターです。

下の表は「株式投資の未来/ジェレミー・シーゲル」から、1957年~2003年の運用成績上位20銘柄の主要データから上位10銘柄を抜粋しました。ヘルスケアと生活必需品セクターが素晴らしいパフォーマンスであることがわかります。

順位会社名年率リターン配当平均セクター
1フィリップモリス19.75%4.07%生活必需品
2アボット・ラボラトリーズ16.51%2.25%ヘルスケア
3ブリストル・マイヤーズ16.36%2.87%ヘルスケア
4トッツィロール16.11%2.44%生活必需品
5ファイザー16.03%2.45%ヘルスケア
6コカ・コーラ16.02%2.81%生活必需品
7メルク15.90%2.37%ヘルスケア
8ペプシコ15.54%2.53%生活必需品
9コールゲート・パルモリーブ15.22%3.39%生活必需品
10クレイン15.14%3.62%資本財
S&P50010.85%3.27%

下のチャートはyahooファイナンスでVOO(S&P500) / VHT(ヘルスケア) / VDC(生活必需品) を単純比較した結果です。VHTとVDCの開始日は2004年1月なのですが、Yahooファイナンスのデータは2010年9月からしか確認できませんでした。VHT > VOO> VDC の順位でパフォーマンスがいいです。

Yahooファイナンスのチャートは配当の再投資を計算できていません。シーゲル教授の研究データは配当の再投資も含めて計算されています。

製薬会社が一番儲かるのは大型の新薬(ブロックバスター)

製薬会社は主に医療用医薬品と大衆薬(OTC医薬品)、新薬とジェネリック医薬品で分けられます。利益率が高いのは新薬(医療用医薬品)です。特に年商10億ドル以上の売上規模になる新薬をブロックバスターと呼びます。

製薬会社は既存のブロックバスターの売上傾向、特許切れのタイミング、開発パイプラインに何本のブロックバスター候補があるかで投資判断されます。FDA(アメリカ食品医薬品局)の医薬品審査の結果によって株価が大きく動きます。

大衆薬(OTC医薬品)は医師の処方箋なしに薬局などで購入できるお薬のことです。風邪薬や酔い止めなどですね。

ジェネリック医薬品は新薬と同じ成分を使ったコピー品です。新薬の特許が切れたら他の会社が作ることができるようになります。特許切れとともにグローバルで価格競争が始まります。

大衆薬とジェネリック医薬品は新薬に比べると儲けが薄いです。

世界トップの製薬会社はブロックバスターの特許期間中の儲けで、失敗を含む研究開発費、M&Aの費用を賄うことになります。

今回比較するのはメガファーマと呼ばれる大規模な製薬会社です。メガファーマの場合は自社でブロックバスターを開発するよりも、ブロックバスターの開発に成功した製薬会社を買収したほうが費用が安くすむ、という現実があります。R&DとM&Aの両方とも重要になります。

のびせん
のびせん

新薬の開発に成功した会社は世界トップの企業に買ってもらえば、名誉とお金と安定が手に入ります。ヘルスケアセクターも大きな会社はますます大きくなる仕組みになっています。

専門家であるメガファーマでもM&Aの成功率は40%程度という新薬開発の難しさ

製薬会社の年次報告書やホームページを見れば、開発中の新薬を確認することができます。製薬会社は新薬開発に特化したM&A専門機関と表現することもできると思います。専門家である製薬会社であっても、M&Aで買収したブロックバスター候補が成功する確率は40%程度です。

個別銘柄分析をしている証券会社のアナリストや製薬専門のジャーナリストもブロックバスター候補の価値を予見するのは不可能です。そのため、ブロックバスターの評価はパイプラインの数でざっくり比較するというのが効率がいいと思います。

のびせん
のびせん

太っている人を見分けるのに体重計はいらない理論です。

製薬会社(PFE/MRK/ABBV/JNJ)とVHT(米国ヘルスケア・セクターETF)の概要

過去データはyahooファイナンスで株価・配当データを取得、EPS(一株あたり純利益)は各企業のHPで公開されている年次報告書から、遡れる範囲でデータをピックアップしています。

【ファイザー:PFE】銘柄分析、配当利回り、PERの過去データ

【ファイザー:PFE】会社基本情報

ファイザー(Pfizer Inc.)は、世界的な医薬品およびバイオテクノロジー企業で、主に医薬品、ワクチン、生物学的製剤を開発・製造しています。OTC医薬品部門は過去にジョンソン・エンド・ジョンソンに売却しています。多くのM&Aをへて、製薬会社売上ランキングで世界トップを争う企業になりました。

直近は新型コロナウイルスの収束に伴い、ワクチンや抗ウイルス薬の需要が減少しています。米国政府に売却済みの抗ウイルス薬の返却合意などもあり、株価が低迷しています。

【ファイザー:PFE】過去データ、2024年4月のサマリ

  • 1995年~2024年の配当利回り平均:3.14%
  • 2003年~2024年のPER平均:16.46倍
  • 現時点の配当利回り:6.62%
  • 現時点のPER:68.62倍
  • パイプラインの数:112

【メルク:MRK】銘柄分析、配当利回り、PERの過去データ

【メルク:MRK】会社基本情報

世界的に「メルク」といえばドイツのメルク (Merck KGaA) のことになります。

米国メルク(Merck & Co., Inc.)は北米ではメルク (Merck) を名乗り、日本を含むその他の地域ではMSD (Merck Sharp and Dohme) を名乗っています。もともとは同じルーツの会社なのですが、第一次世界大戦時に別々の会社になりました。

OTC医薬品部門はドイツのバイエルに売却して、ほぼ医薬品事業の会社になっています。

【メルク:MRK】過去データ、2024年4月のサマリ

  • 1995年~2024年の配当利回り平均:3.76%
  • 2006年~2024年のPER平均:25.33倍
  • 現時点の配当利回り:2.45%
  • 現時点のPER:898.43倍
  • パイプラインの数:120

【アッヴィ:ABBV】銘柄分析、配当利回り、PERの過去データ

【アッヴィ:ABBV】会社基本情報

アッヴィ(AbbVie Inc.)は、世界的なバイオ医薬品企業で、特に免疫学、腫瘍学、神経科学、眼科学などの領域で製品を提供しています。2013年にアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)の一部門として分社化され、独立した企業として事業を展開しています。

【アッヴィ:ABBV】過去データ、2024年4月のサマリ

  • 1995年~2024年の配当利回り平均:3.31%
  • 2010年~2024年のPER平均:22.47倍
  • 現時点の配当利回り:4.93%
  • 現時点のPER:46.41倍
  • パイプラインの数:90

【ジョンソン・エンド・ジョンソン:JNJ】銘柄分析、配当利回り、PERの過去データ

【ジョンソン・エンド・ジョンソン:JNJ】会社基本情報

ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)は、医薬品、医療機器、一般消費者向け製品の3つの主要な事業部門で構成されている世界企業です。投資適格級AAAを保持、連続増配など、アメリカを代表する優良銘柄として知られています。

【ジョンソン・エンド・ジョンソン:JNJ】過去データ、2024年4月のサマリ

  • 1995年~2024年の配当利回り平均:2.31%
  • 2006年~2024年のPER平均:19.23倍
  • 現時点の配当利回り:3.35%
  • 現時点のPER:19.91倍
  • パイプラインの数:95

【 Vanguard Health Care Index Fund ETF 】VHTの配当利回り

【 Vanguard Health Care Index Fund ETF:VHT】基本情報

Vanguard Health Care Index Fund ETF(バンガード・ヘルスケア・インデックス・ファンドETF)は、米国ヘルスケアセクター関連企業の株式に投資する上場投資信託(ETF)です。投資対象となる企業には、製薬会社、バイオテクノロジー企業、医療機器メーカーなどが含まれます。

ヘルスケアは、人口の成長や高齢化、医療技術の進歩などにより、長期的な成長性が期待できるセクターです。

【 Vanguard Health Care Index Fund ETF:VHT】過去データ、2024年4月のサマリ

  • 2004年~2024年の配当利回り平均:1.3%
  • 過去のPER平均:n/a
  • 現時点の配当利回り:1.28%
  • 現時点のPER:22.93倍

製薬会社(PFE/MRK/ABBV/JNJ)とETF(VHT)の比較結果

メガファーマとVHTの比較ですが、2024年4月時点ではファイザーが割安です。ジョンソン・エンド・ジョンソンも高くはないので選択肢に入ると思います。

過去データを見ると各社それぞれで利益がボコボコしてます。投資結果が安定するのはVHTだと思います。

シーゲル教授の研究結果ではS&P500よりもパフォーマンスが良いセクターです。過去記事も参考にしていただけると幸いです。

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