S&P500が良い投資先なのは分かったんですけど、割高な時はどうすればいいんですか?
高い時は悩むよね…。シーゲル先生から個別銘柄の投資理論を学びましょう。
【株式投資の未来】ジェレミー・シーゲルがたどり着いた投資先選定の結論
本書は前作「株式投資」が大ヒットして有名になったシーゲル教授が「長期保有するにはどの銘柄を買えばよいか?」という質問に答えるために書いた本です。シーゲル教授の結論を引用します。
長期投資で成功を収めるのは、少しも難しいことではない。成長の罠を避け、時に裏打ちされた価値にしがみつけばいい。これまではこの戦略が、じつに投資家のためになった。これからはそうならないとみる理由は、どこにもない。
「株式投資の未来」ジェレミー・シーゲル著
なぜ株式投資なのか?という疑問は前作「株式投資」で説明されています。データに裏打ちされた説得力のある理論書です。ウォーレン・バフェットも推薦しています。
インデックス投資の期待値は一般的に6%~8%と言われています。シーゲル教授が調べた約50年のデータでS&P500の年率リターンは10.85%です。私が配当課税を加味して計算した結果は過去30年で9.12%でした。
S&P500だけに投資しても十分なリターンですね!
私も十分なリターンだと思います。それでも割高だと気になる性格の方は、割安な個別株への投資を検討してみてください。
投資家が陥りがちな失敗、成長の罠
成長する企業は成長にお金を必要とします。技術革新などで新しい市場が誕生した場合には、宝くじを当てるような確率で、最終的に勝ち残るトップ企業を当てないと投資で勝てません。当たれば大きいのですが、再現性が低いです。
投資家にとってリターンの高い投資先は、世間の期待値が低い(バリュエーションの低い)銘柄、設備投資などでお金を必要としないセクターであることが示されています。
また、IPOは誰が儲かるか?という記述も重要なので引用します。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』の著者、バートン・マルキールはこう述べている。「IPO株の主な売り手は、その会社の経営陣だ。経営陣は会社が波に乗った絶頂期に売り出そうとタイミングを見計らう。絶頂期とはつまり、目下の流行り物をめぐる投資家の熱狂がピークを迎えるときだ」こうした起業家やベンチャーキャピタルは、取引が始まると、持ち株の大半を早々に放出する。一方の投資家は、天に向かって伸びる梯子の一段目から参加したつもりが、実際には、まっすぐ地下まで落ちていくことになる。
株式投資の未来/ジェレミー・シーゲル著
過去300年に起こった進歩はバブルとともに現れて、バブルが後押しして普及しています。その資本コストは踊らされた投資家が(損失として)負担しています。
私はAIの普及には技術的な課題と、法整備の課題があると思っています。AIも過去同様にバブルが弾けたあとに普及して、恩恵が来ると思います。ネット・バブルの崩壊から光ファイバーの普及にかかった時間(10年以上)と同じ程度の時間軸で考えておくことをおすすめします。
投資戦略
投資戦略は配当の重要性を示しています。設備投資にお金がかからない、配当は信用につながる、などです。買った株の永久保有は他の研究データでも優位性が示されています。特にS&P500を安く買えたら、その後は永久保有でいいと思います。
未来に向けた戦略
配当が大切だという主張以外は一般的なポートフォリオ戦略が記載されています。シーゲル教授は投資理論で成功した人です。投資で成功したわけではないので「まあ、そんなもんかな…」という感じの結論が書かれています。
個別株で投資する場合は期待値が10%を超える割安な銘柄を探そう
S&P500は優秀な投資先です。S&P500が割高な場合には割安な個別株を探しましょう。宝くじのような流行りのテーマ株ではなく、配当実績がきちんとしていて、世間からの期待値の低い銘柄が残っていないか、確認しましょう。
期待値が10%を超える投資先が見つからない場合には、忍耐も必要です。現金を取っておけば市場全体が崩れた時にS&P500を割安に買うことができます。
シンプルな投資は簡単では有りませんが、素晴らしいリターンを手に入れることができます。2024年4月で期待値を計算した記事もあるので、見てみてください。
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