改めてデータで確認したのですが、S&P500は超優秀でした。個別株はタイミング次第という結果でした。
必ず勝てる個別株はないのですが、S&P500の価格が(相場が全体的に)高いときには悩みますよね…。2024年4月時点でS&P500と個別株とETFを比較してみました。
S&P500に勝つのは難しい、市場を見ながら個別株と組み合わせてバランスするのがおすすめ
「株式投資の未来/ジェレミーシーゲル」のS&P500生き残り上位10銘柄とS&P500のパフォーマンスをスプレッドシートで計算してみました。
結果はヘルスケア銘柄は勝率50%、タバコ銘柄は優秀、タバコを除く生活必需品も勝率50%、セクターETFや高配当ETFもS&P500に勝つのは難しいという結果でした。
アボット・ラボラトリーズからアッビィが分社独立したり、米国の税金の影響を見るためにブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国株、現地の配当課税0%)を入れたので10社をこえています。
S&P500と個別銘柄、ETFの過去30年リターン比較
セクター | 略称 | リターン | 備考 | |
アッビィ | ヘルスケア | ABBV | 11.90%(12年) | 2013年にABTから分社独立 |
アボット・ラボラトリーズ | ヘルスケア | ABT | 10.58% | – |
ファイザー | ヘルスケア | PFE | 9.71% | – |
コールゲート | 生活必需品 | CL | 10.04% | – |
ペプシコ | 生活必需品 | PEP | 9.71% | – |
BTI(長いので略) | 生活必需品 | BTI | 11.59% | 英国株は税金で有利 |
フィリップモリス | 生活必需品 | PM | 9.02%(16年) | 2008年にMOから分社独立 |
アルトリア | 生活必需品 | MO | 11.48% | 分社独立で特別配当あり |
S&P500 | – | – | 9.12% | 配当と税金を調整 |
ブリストル・マイヤーズ | ヘルスケア | BMY | 7.96% | – |
メルク | ヘルスケア | MRK | 7.92% | – |
コカ・コーラ | 生活必需品 | KO | 7.95% | – |
トッツィーロール | 生活必需品 | TR | 5.75% | – |
ヘルスケア ETF | ヘルスケア | VHT | 8.66% | – |
S&P500 ETF | – | VOO | 8.50% | – |
生活必需品 ETF | 生活必需品 | VDC | 8.33% | – |
高配当 ETF | 高配当 | VYM | 6.33% | – |
ヘルスケア銘柄の計算結果
アッビィとアボット・ラボラトリーズ、ファイザーはS&P500のパフォーマンスを上回っています。一方でブリストル・マイヤーズやメルクは下回っています。
ヘルスケアセクターのETF(VHT)もS&P500のETF(VOO)と大差ありません。
製薬会社は別記事で書きましたが、新薬開発があたった会社はいいのですが、うまくいかなかった企業はパッとしない結果になっています。
優秀なセクターではあるのですが、成功する製薬会社は誰にもわからないと思いますので、割安になっている個別銘柄があったら拾う、くらいが良いと思います。
生活必需品銘柄の計算結果
タバコ会社は「高配当+法規制等で世間の期待値が低い」のでS&P500をだいたい上回っています。
計算結果で以外だったのが、コカ・コーラがパッとしなかったことです。コールゲート・パルモリーブとペプシコはS&P500を上回っていますが、今後も同じ状況が続くかは分かりません。
全体としてはヘルスケアセクターと同様ですが、S&P500が高い時に個別株を拾うのがいいと思います。生活必需品はディフェンシブなセクターです。
S&P500とその他ETFの計算結果
S&P500、ヘルスケア、生活必需品のETFはどっこいどっこいでした。リスク分散や他セクターの成長性をカバーできている分、S&P500への投資がいいと思います。
もちろん、AIバブルのようにS&P500が高い場合は他の銘柄に入れておいたほうが良いと思います。過去データからS&P500の平均値を乱暴に計算すると、2024年4月の価格は25%程度、平均より高いです。
また、計算してみて以外だったのは、高配当ETFはパフォーマンスが低かったことです。他ETFがだいたい8.5%に対して、高配当ETF(VYM)は6.3%でした。
配当生活に入ると株の売却がめんどくさいので高配当ETFを検討していましたが、売却の手間を考えてもS&P500のほうが良さそうです。
スプレッドシートでのパフォーマンス計算方法
計算方法に興味がある奇特な方以外は読み飛ばしてくださいませ。計算方法のざっくり説明と、スプレッドシートの計算結果です。
Yahooファイナンス(米国版)の「Historial Data」から30年分の株価情報、配当情報をダウンロードしてスプレッドシートで計算しました。
株価情報は「Close」は株式分割を反映、「AdjClose」は配当を含めた調整が入っています。複利計算(利率)はカシオ計算機のサイトを利用しました。
今回は日本での配当再投資を計算したかったので、米国税10%、日本税20%を減額した配当分を再投資として計算しました。
S&P500指数には配当がないですが、実際に投資する場合はVOOなどのS&P500に連動するETFへの投資になることを考えて、VOOの平均配当利回りをS&P500の再投資に加える形で計算しています。
S&P500は初期投資$10,000、その他銘柄は初期投資$1,000でのパフォーマンスを計算しています。S&P500の株価が3桁スタート、その他銘柄は1桁~2桁スタートなので調整しました。
「配当平均TTM」の行はYahooファイナンスに掲載されている予想配当と過去の配当平均(%)をかけて目安値を計算しました。
基本はS&P500への投資、市場が高い時は個別株を拾うのがおすすめ
S&P500生き残り上位10銘柄とS&P500のパフォーマンスを確認してみました。市場が高く、S&P500への投資がためらわれる時は個別株を拾うのがいいと思います。
私はチャーリー・マンガーが好きなので、これと思った個別株を3つくらいでポートフォリオを組みたいところですが、今回調べた範囲だと相場がさがったらS&P500に戻す、それまでは安くなっているタバコ株やヘルスケア株を買っておくかな…ペプシコもいいな…という感じでした。
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